今週のEBM,ナウ(193)
GVHD prophylaxis in patients given BMT for
SAA
(GVHD予防法比較)
重症再生不良性貧血(SAA)への同種骨髄移植後のGVHD(移植片対宿主病)予防法の多施設研究。
シクロスポリン(CsA)単独群34例とCsAとメトトレキセ-ト(MTX)併用群37例との2群間randomized trialです。
ドナ-はHLA一致の兄弟です。
対象例は1998年までの8年間に骨髄移植を受けた2歳から50歳までのSAA71例。
年齢中央値は19歳。
移植前処置はすべてCY単独。
2群間の背景因子に有意差を認めません。
結果:急性GVHD0度からⅠ度そして2度から3度の全生存率はそれぞれ98%、70%でした(P<0.005)。 このようにGVHDの重症度が高いと生存率が低下します。 下図のように、5年生存率で比較すると併用群では単独群より生命予後が良く、有意差があります。
結論:SAAにおけるGVHD予防法はCsAとMTX併用群の生存率が高い。
コメント:EBM192ではミニ移植・高齢者が多く、今回の報告はミニ移植が普及する2000年以前の若年への移植という違いがあります。
文献: Locatelli F et al. Cyclosporine A and short-term methotrexate versus
cyclosporine A as graft versus host disease prophylaxis in patients with
severe aplastic anemia given allogeneic bone marrow transplantation from
an HLA-identical sibling: results of a GITMO/EBMT randomized trial. Blood
2000 ; 96: 1690-1697. |