今週のEBM,ナウ(189)
Allogeneic transplantation in breast cancer
(転移性乳がんへの同種造血細胞移植)
15施設から計66例の転移性乳がん(転移病巣数の中央値は2箇所)への同種造血細胞移植の報告。
生存例の追跡中央値は40ヵ月。
移植方法は以下の図のように2種類。
複数のend pointsのひとつに、下図の2群間での生存率比較と造血細胞移植の免疫療法としての抗腫瘍効果(GVT効果;graft versus
tumor effects)を示せるか?があります。
結果:骨髄非破壊的前処置による移植群(27例)では急性GVHD合併例の方が非合併例よりも再発リスクが有意(P=0.03、文献Table 4)に低いことが明らかです。 慢性GVHD頻度は下図のように骨髄破壊的前処置群(39例)で36% vs
8%と有意に高い結果ですが、1年PFS(無増悪生存率)は統計的に2群間に有意差を認めません。
コメント:骨髄非破壊的前処置による移植後のGVT(抗腫瘍)効果に期待したい。
文献: Ueno NT et al. Allogeneic hematopoietic cell transplantation
for metastatic breast cancer. Bone Marrow Transplant 2008;41:537-545. |