今週のEBM,ナウ(188)
Graft failure after RIC-CBT
(さい帯血ミニ移植後の生着不全)
2002年1月から2004年8月までの間、成人におけるさい帯血を用いたミニ移植123例の報告。
9例(7.3%)に生着不全を認めました。
123例の背景は以下の表のように50歳以上の高齢者が多く、高リスク例が75%。
基礎疾患の上位は
①急性骨髄性白血病
②悪性リンパ腫
③急性リンパ性白血病
④成人T細胞白血病
⑤骨髄異形成症候群でした。
生着群と生着不全群間での差異は統計上ありません。 なお、生着前に17例が移植関連死しており、複数のリスク因子を有する症例が多いことが解析しづらくしています。
最終的には再移植できた(初回移植から中央値46.5日後)4例中3例に生着を確認しました。 2005年5月現在で9例中、7例死亡し2例が9ヵ月、15ヵ月生存中です。
コメント:多数例を移植している施設からの報告ですが、プロトコ-ル研究になるとさらに明快な結論が期待できます。したがって、次には大規模試験が望まれます。
文献:Narimatsu H et al. Graft failure following reduced-intensity cord blood transplantation
for adult patients. Br J Haematol 2006;132:36-41. |