EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(185)

RIC SCT outcomes and complications
(ミニ移植の100例)

 ミニ移植(骨髄非破壊的前処置;RIC)100例の造血細胞移植(SCT)治療成績です。
  ホジキン病13例、
  多発性骨髄腫14例、
  慢性リンパ性白血病12例、
  非ホジキンリンパ腫17例、
  骨髄異形成症候群18例、
  急性骨髄性白血病24例、
  慢性骨髄性白血病2例
 の治療成績(下図)と入院治療の必要性の報告。

追跡期間中央値534日後の
 全生存率(overall survival) は59%、
 無増悪生存率(PFS)は50%、
 再発関連死亡率(RRM)は25%、
 治療関連死亡率(TRM)は17%です。
移植後の外来受診回数は1、2年目でそれぞれ平均41回、13回、
入院日数は、それぞれ53日、16日。

 これは従来の骨髄破壊的前処置による移植成績とほぼ同等です。 移植後でも入院や外来受診を要する合併症などの頻度を移植前から本人、家族によく知らせる必要があります。



コメント:デンマ-クからの報告ですが、国内でも同様の傾向と思われます。

文献:Kornblit B. et al. Haematopoietic cell transplantation with non-myeloablative conditioning in Denmark: disease-specific outcome, complications and hospitalization requirements of the first 100 transplants. Bone Marrow Transplant 2008; advance online publication.