EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(176)

The results of consolidation with autologous SCT in patients with PTCL in first complete remission
(スペインのリンパ腫・自家移植グル-プ)

 EBM175の治療成績を超える報告です。 末梢T細胞リンパ腫(PTCL)は標準化学療法では予後不良です。 そこで、化学療法後の初回寛解期に自家造血細胞移植を行いました。 
対象となる74例のPTCLの年齢中央値は46歳。 
65例(88%)は進行期の症例(ⅢからⅣ度, Ann Arbor分類)。 
5年予想全生存率は68%、
無病進行生存率は63%。
21例が死亡。
13例は原病に起因し、
2例は感染症による死亡。 
4例が二次性悪性疾患
そして3例が移植関連死亡(文献1)です。 

多変量解析による生存期間が短い要因は3つ以上の危険因子(PIT; Prognostic index for peripheral T-cell lymphoma、下図、文献2)があることです。 
4種類の因子とは文献2によると
①年齢60歳以上、
②LDH正常値以上、
③PSが2以上、
④骨髄への浸潤
がある。 
以上。



コメント:化学療法後の初回寛解時に自家移植を施行した成績は評価できる。今後の標準的治療戦略となる可能性がある。

文献1:.Rodriguez J et al.  The results of consolidation with autologous stem-cell transplantation in patients with peripheral T-cell lymphoma (PTCL) in first complete remission: the Spanish lymphoma and autologous transplantation group experience. Ann Oncol 2007; 18: 652-657.
文献2:.Gallamini A et al. Peripheral T-cell lymphoma unspecified (PTCL-U): a new prognostic model from a retrospective multicentric clinical study. Blood 2004; 103:2474-2479.