今週のEBM,ナウ(167)
Allografting for adult T-cell leukemia/lymphoma
:A nationwide retrospective analysis.
(2007 アメリカ血液学会抄録引用)
日本からの成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL/ATLL)に対しての同種移植成績報告。 移植時の年齢中央値が51歳で、移植後追跡期間中央値は21.6ヵ月。 寛解時期に同種移植を施行した91例の3年予想全生存率、疾患関連死亡率そして移植関連死亡率はそれぞれ48%、16%そして35%でした。 非寛解状態で移植を施行した226例では、22%、35%そして41%です。
生存に有利な因子は多変量解析によると①50歳以下、②女性、③寛解期移植、そして④HLA一致の血縁ドナ-でした。なお、非寛解で移植しても軽度のGVHD(移植片対宿主病)合併の生存率はそれの全くない症例よりも良く、GV-ATL効果を認めました。
コメント:50歳以下の女性症例には良い治療法と言えます。それ以外の症例にとっては、今後の新しい展開が必要です。
文献: Hishizawa M et al. Allografting for adult T-Cell leukemia/lymphoma:
A nationwide retrospective analysis. Abstract #3060 appears in Blood; volume110,issue
11,November 16 2007. |