EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(163) Progression free survival(PFS) in RIC HSCT for myeloma is improved with use of pre-emptive DLI(pDLI). (2007 アメリカ血液学会抄録引用) 多発性骨髄腫に対する同種造血幹細胞移植は唯一、治癒が期待出来る治療法です。 ミニ移植(RIC)の移植関連死亡率(TRM)は低いにもかかわらず、再発が多いという欠点があります。 そこで、再発対策としてpre-emptive donor lymphocyte infusion(pDLI)を用いた臨床研究を19例に対して行いました。 DLIは末梢血のキメリズムを判断しながら施行。 多発性骨髄腫の年齢中央値は54歳、血縁ドナ-が15例、非血縁ドナ-が4例。 17例には自家移植の既往があります。 結果:DLI施行の詳細は省略しますが、2年でのTRMは15.5%。 全生存期間中央値は24ヵ月、無病生存期間の中央値は12ヵ月。 DLI施行群の無病生存期間の中央値は25ヵ月、未施行群は9ヵ月(P=0.02)。 結論:治療回数の多い、ハイリスクの骨髄腫の5年生存率はDLIにて20%までの改善が期待できます。 コメント:すでに文献2,3に示すようにレナリドマイドの有効性も示されている。 移植治療の選択順位がどうなるかはこれからの研究次第。 文献: 1.Ramasamy K et al. Progression free survival(PFS) in Alemtuzumab based RIC allogeneic transplantation for myeloma is improved with use of pre-emptive DLI(pDLI). Abstract #3034 appears in Blood; volume110,issue 11,November 16 2007 2.Weber DM et al. N Engl J Med, 2007; 357: 2133, 3.Dimopoulos M et al. N Engl J Med, 2007; 357: 2123 |