EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(162) Imatinib in reduced-intensity allograft for CML (ミニ移植後のイマチニブ投与) ミニ移植では移植後再発が大きな問題です。 その後のリンパ球輸注(DLI)は有効ですが、その結果引き起こされる重度の移植片対宿主病の対策は急務です。 そこで、移植後のイマチニブ投与によってDLI施行を延期出来ないかどうかを22例のCML(慢性骨髄性白血病、年齢の中央値は49歳、25歳から57歳、骨髄破壊的前処置の適応外の症例)にて検討しました。移植前の染色体解析では完全寛解が4例。 18例はPh染色体が残存。 移植後35日からイマチニブ投与を開始して12ヵ月後に投与を中止。 分子生物学的レベルでの再発はBCR-ABLの有無で確認しました。 評価可能な21例中、5例は完全分子生物学的寛解を維持、1例は微少な分子生物学的残存あるのみ。 15例は移植後中央値17ヵ月で分子生物学的に再発を認め、DLIを施行。 3年の観察にて21例中、19例が(全生存率87%)生存、15例(68%)は分子生物学的寛解を維持しています。 結論:ミニ移植後再発確認のための分子生物学的標的が明らかなため、イマチニブ投与は高齢者ミニ移植後の治療戦略として評価できる。 コメント:イマチニブ投与をいつまですべきかとの質問に対する回答の1つと考えたい。 文献:Craddock CF et al. Posttransplantation imatinib as a strategy to postpone the requirement for immunotherapy in patients undergoing reduced-intensity allografts for chronic myeloid leukemia. Blood.2007;110:4614-4617. |