EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(158) DLI for AML relapse after allo-SCT (ドナ-リンパ球輸注効果) 同種移植後の再発に対するドナ-リンパ球輸注(DLI)の効果をDLI施行群と未施行群間で比較検討しました。 対象は399例の移植後再発の急性骨髄性白血病。 171例がDLIを受け、年齢の中央値は39歳。 228例がDLI未施行で年齢の中央値は36歳。 結果:2年生存率はDLI施行群が21%、未施行群は9%。 全体解析によると生存率の良い因子は ①年齢37歳以下 ②再発が移植後5ヵ月以後そして ③DLI実施例でした。 DLI施行例のなかでは ①再発時の白血病細胞が35%以下 ②女性 ③予後良好とされる染色体群 ④DLI施行時に寛解である などが多変量解析で明らかにされました。 染色体結果が予後良好群でかつ寛解時にDLIを施行すると2年生存率予想は56%、骨髄が低形成または白血病細胞が多い時期のDLI施行後のそれは15%です。 結論:DLI施行の有効性は認められました。しかし、その恩恵を受けるのは少数。DLI施行前に白血病細胞量を減じるなどの戦略が必要。 コメント:DLI効果の得られやすい状況が明らかにされた事は特筆に値する。 文献:Schmid C. al. Donor lymphocyte infusion in the treatment of first hematological relapse after allogeneic stem-cell transplantation in adults with acute myeloid leukemia: A retrospective risk factors analysis and comparison with other strategies by the EBMT acute leukemia working party. J Clin Oncol. 2007. 25:4938-4945 |