EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(142) Hepatic veno-occlusive disease (肝静脈閉塞症) 造血細胞移植後の重篤な合併症である肝静脈閉塞症(VOD)予防法としての抗凝固剤投与の研究結果を解析しています。 102のデ-タベ-スから適切にデザインされた研究を選び12編の論文、症例数2782例を解析しています。 比較対象群のVOD頻度は2-82%でした。 ヘパリン投与は100単位/kgの持続投与がほとんどです。 しかし、比較試験として企画された論文が2つしかなく、結論として抗凝固療法はやや有用性があるという程度です(文献、Table 2)。 今後はその重症度の高さから移植後100日目をprimary endpointとし、移植対象例をハイリスクに限定したRCT(randomized controlled trials)が必要であると結んでいます。 コメント:臨床的に予後不良な合併症を研究対象とする場合、RCTの困難性が痛感されます。 文献:Imran H et al. Use of prophylactic anticoagulation and the risk of hepatic veno-occlusive disease in patients undergoing hematopoietic stem cell tansplantation: a systemic review and meta-analysis. Bone Marrow Transplant 2006; 37:677-686. |