EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今月のEBM,ナウ(13) 治療法の新旧交代? {文献要約}多発性骨髄腫に対する従来の点滴の抗がん剤から内服薬への変更の可能性を示唆したイタリアからの報告。しかも、その内服薬はサリドマイド。解析方法は1996年から2004年までの後方視的研究。100例のサリドマイド-デキサメサゾン療法(Thal-Dex)と100例のvincristine-doxorubicin-dexamethasone(VAD)療法2群を年齢、臨床病期、血清β2-ミクログロブリン値で症例背景をmatchingさせて比較検討した。治療の詳しい内容は省略するが、サリドマイドは内服14日間、VADは24時間持続点滴で4日間。治療有効性は部分寛解以上が、76%と52%(P<0.001)。毒性ではVADに12%の骨髄毒性(grade3-4)が見られたが、Thal-Dexでは0%。深部静脈血栓症がThal-Dexの15%に合併するも,VADでは2%。 結論:サリドマイド-デキサメサゾンはVAD療法に代わるものとなる。 文献:Cavo M et al. Superiority of thalidomide and dexamethasone over vincristine-doxorubicin-dexamethasone (VAD) as primary therapy in preparation for autologous transplantation for multiple myeloma. Blood. 2005; 106:35-39. |