今週のEBM,ナウ(139)
RIC for myeloma
(多発性骨髄腫へのミニ移植)
EBMT(欧州骨髄移植グル-プ)からの報告です。Reduced-intensity conditioning (RIC, ミニ移植) 320例とmyeloablative
conditioning(MAC)196例とをEBMTのデ-タベ-スから抽出して解析しました。1998年から2002年の移植症例です。対象:2群間の背景因子として下図のように1.RICが高齢、 2.MACで移植既往がない例が多い、 3.RICは移植前でも病状進行例(progressive
disease)が多いなどの有意差を認めます。
結果:非再発死亡率(NRM; non-relapse mortality)はRIC,MACでそれぞれ24%、37%(P=0.002)と有意差があり、生存率(OS;
overall survival)は、38.1%、50.8%と有意差を認めません。無病生存率(PFS)はRIC18.9%、MAC34.5%でした(P=0.001)。ミニ移植の有用性としてNRMが低いことが明らかにされ、再発が多い問題点が残されました。
コメント:RICでは再発に対してDLI(donor lymphocyte infusion)の役割に期待したい。
文献:Crawley C et al. Reduced-intensity conditioning for myeloma: lower nonrelapse
mortality but higher relapse rates compared with myeloablative conditioning.
Blood 2007; 109: 3588-3594. |