今月のEBM,ナウ(12)
閉塞性細気管支炎の頻度?
国立がんセンタ−中央病院からの報告
{文献要約}移植後の悲惨な合併症の一つとして知られている閉塞性細気管支炎(BO)の病態は未だ解明されていません。国立がんセンタ−中央病院での144例を移植方法別(ミニ移植 vs 従来の移植)に合併頻度を解析した報告。以下の図(文献から改変)に示すように、ミニ移植群の年齢中央値は51歳、従来の移植群では36歳。従来の移植群では、TBI(全身放射線照射)を使用した57例のうち6例がBO合併。TBI使用しなかった39例でも7例がBOとなっています(計13例にBO合併)。ミニ移植ではTBI使用は0例です。2年での累積BO頻度は9.7%(14
/144例)。従来の移植法(いわゆる骨髄破壊的前処置)で移植した96例ではBO頻度は17%、ミニ移植の48例でのそれはは2.3%。多変量解析によると、BO発病の唯一の危険因子が従来の移植方法(骨髄破壊的前処置)による移植でした。
結論:ミニ移植におけるBOの合併頻度は従来の移植方法よりも低い。
文献:Yoshihara S et al. Lower incidence of bronchiolitis obliterance in allogeneic
hematopoietic cell transplantation with reduced-intensity conditioning
compared with myeloablative conditioning. Bone Marrow Transplant 2005;
35:1195-1120. |