今週のEBM,ナウ(124)
RIC
allogeneic SCT in low-grade lymphoma
(低悪性度リンパ腫に対するミニ移植の有用性-フランス)
低悪性度リンパ腫といえどもEBMナウ(16)で紹介したように10年生存率は約10%と低い事が知られています。従来の骨髄破壊的前処置による同種移植では移植関連死亡率(TRM)が高く、移植を躊躇する理由のひとつとなっています。今回、フランスからのミニ移植成績を紹介します。73例の再発・難治性のlow-grade
lymphomaが対象です。前処置はフルダラビン+ブスルファン+ATGが43例、フルダラビン+TBIが21例でした。観察期間の中央値は37ヵ月、下図のように移植前の状態が寛解であれば、TRMが低く、その結果EFSは66%と長期生存が見込まれます。しかも、化学療法抵抗症例でも32%に長期生存の可能性が示されました。
コメント:従来の化学療法成績との比較のためには10年間の長期観察が必要。
文献 Vigouroux S et al. Long-term outcomes after reduced-intensity conditioning
allogeneic stem cell transplantation for low-grade lymphoma: a survey by
the French Society of Bone Marrow Graft Transplantation and Cellular Therapy
(SFGM-TC) Haematologica 2007;92:627-634. |