今週のEBM,ナウ(122)
Imatinib monotherapy for elderly Ph+ ALL patients
(高齢者Ph陽性ALLへのイマチニブ単独投与)
イタリアからのbrief reportです。年齢の中央値が69歳(61歳から83歳)のフィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病(ALL)30例に対する治療成績報告。
結果と考察:初回治療としてイマチニブ800mgにステロイドを併用しています。治療は外来で行い、入院は不要でした。内服毒性もありません。観察中央値は20ヵ月。評価可能な29例は血液学的寛解を達成。29例の生存期間中央値は20ヵ月、血液学的反応持続期間は8ヵ月。分子レベルでの寛解(BCR-ABLの消失)は1/27例に認めた。14例は中央値4ヵ月で再発し、13例は中央値10ヵ月で血液学的寛解を維持しています。
コメント:高齢者白血病は、高齢であるがために化学療法を諦めざるを得ない状況に遭遇することがありますが、今回の報告は新しい治療選択肢を示す画期的なものです。
文献 Vignetti M et al. Imatinib plus steroids induces complete remissions
and prolonged survival in elderly Philadelphia chromosome-positive patients
with acute lymphoblastic leukemia without additional chemotherapy: results
of the Gruppo Italiano Malattie Ematologiche dell’ Adulto(GIMEMA) LAL0201-B
protocol. Blood.2007; 109:3676-3678. |