今月のEBM,ナウ(11)
GV-ATL効果とは?
ミニ移植の臨床研究第1相成績
{文献要約}16名のATL(成人T細胞白血病)に対してHLA一致の血縁ドナ−からミニ移植を施行した成績です。ミニ移植の安全性の検討を50-70歳のATLに対して行いました。Primary
end pointsは移植後90日での生着と100日までの移植関連死亡です。結果は16例中15例が生着し、100日以内の死亡は2例でした。評価可能な12例中9例は寛解に達しています。再発した9例中3例は免疫抑制剤の中止により効果がみられ、また急性GVHDを合併した例はそうでない例よりも生存期間が長い傾向があります。これは移植片対ATL効果(GV-ATL効果)と考えられます。移植後のHTLV-1ウイルスの変動を観察したところ、15例中8例にウイルス量が検出不能レベルに達した事がわかりました。2004年12月末での2年無病生存率は20%でした。
結論:ミニ移植の有効性がGV-ATL効果の存在とHTLV-1ウイルス量の減少で確認された。
文献:Okamura J et al. Allogeneic stem-cell transplantation with reduced conditioning
intensity as a novel immunotherapy and antiviral therapy for adult T-cell
leukemia/lymphoma. Blood. 2005. 105:4143-45. |