今週のEBM,ナウ(118)
BMT vs PBSCT
( 小児白血病に対する初回移植成績)
小児血液学会登録例からの後方視的解析。学会奨励賞として選ばれた発表演題内容の一部を紹介します。対象は急性リンパ性白血病(ALL)270例、骨髄移植施行(BMT)が232例で末梢血幹細胞移植(PBSCT)が38例。造血細胞移植成績を以下の5項目で比較しています。
結果・結論:表に示すように好中球の生着日数がPBSCT群で早く、慢性GVHD発生率が高い事が示されました。以上は統計的に有意差を認めています。ここには省略しますが、急性骨髄性白血病162例の結果もALLと同様でした。
コメント:BMTでの生存率が比較的良好である点が興味深い。ただし、2群間(BMTとPBSCT)の症例数にかなりの差があるため、背景を揃えた前方視的検討が必要。
文献 足立壮一 他 小児ALL、AMLに対するHLA一致同胞からの初回移植成績の解析-BMTとPBSCTの比較- 第29回日本造血細胞移植学会総会抄録集 156ペ-ジ。福岡、2007年2月16日。 |