今週のEBM,ナウ(116)
Allografting versus autografting for newly diagnosed myeloma
(多発性骨髄腫への自家と同種移植の成績比較)
新規に診断された多発性骨髄腫に対する兄弟からの同種移植と自家移植との成績比較。対象は65歳以下の162名。
1.全例、化学療法後に自家移植を受ける。
2.HLA一致の兄弟がいる80症例はその後、ミニ移植を受ける。
3.HLA一致ドナ-がいない82例はtandem autograft(2度目の自家移植)を受ける。
これはgenetic randomizationと言う試験方法。Primary end pointsとしては全生存率(OS,overall
survival)と無病生存率(EFS, event-free survival)です。
結果:45ヵ月(中央値)の観察でOSは以下の図のように自家移植後、兄弟からの同種移植群で80ヵ月。一方、2度の自家移植群では54ヵ月と2群間に有意差を認めます。
なお、EFSでは2群間に有意差を認めません。結論:多発性骨髄腫に対して自家移植2度よりも、自家移植後に同種移植を施行すると予後良好であることが明らかにされました。
コメント:他施設からの追試に期待したい。
文献 Bruno B et al. A comparison of allografting with autografting for newly
diagnosed myeloma. N Engl J Med 2007; 356: 1110-20. |