今月のEBM,ナウ(10)
内服薬で治る白血病とは?
イマチニブ4.5年の経過観察結果
{文献要約}分子標的薬(選択的BCR-ABLチロシンキナ−ゼ阻害薬)として知られているイマチニブ(Imatinib mesylate, Glivec,
Novartis Pharmaceuticals, Basel,Switzerland)は慢性骨髄性白血病の治療戦略を大きく変えた画期的な薬剤です。ドイツの118関連施設間で、統一プロトコ−ルにて治療した報告です。年齢の中央値は56歳。観察期間が4.5年です。対象は慢性骨髄性白血病慢性期139例、移行期80例そして骨髄性への急性転化76例です。評価項目は1.長期効果。2.抵抗性の頻度、等。血液学的寛解は慢性期-97%、移行期-61%そして急性転化期で18%の有効率です。さらにPh染色体の消失(CCR:Complete
cytogenetic response)は同様に49%、26%そして8%でした。観察期間中にイマチニブに対して治療抵抗性が見られたのは同様に25%、41%そして92%でした。今後の対策として無効時には新規治療が必要です。その候補としては新規にGerman
CML Study Wが進行中です。
結論:イマチニブは、慢性骨髄性白血病への治療戦略を変えた薬剤。
文献:Lahaye T et al. Response and resistance in 300 patients with BCR-ABL-positive
leukemias treated with Imatinib in a single center. Cancer 2005; 103:1659-69. |