今週のEBM,ナウ(106)
CBT vs BMT/PBSCT
(さい帯血移植と骨髄/末梢血造血幹細胞移植の比較)
さい帯血移植(CBT)の治療成績が日本から世界へ向けて、東大医科研から報告された。100例のさい帯血移植と71例の血縁者間骨髄移植(BMT)または末梢血造血細胞移植(PBSCT)の成績比較。さい帯血で70%という驚異的な生存率が示された。全例が12Gyの全身放射線照射による骨髄破壊的前処置で移植された。GVHD予防法は95%の症例にCsA+MTXを用いた。結果:2群間に生着率の差を認めず、移植後のGVHDⅢ度-Ⅳ度はさい帯血移植群で有意に低い(20% vs 7%)。多変量解析では移植関連死亡率、再発そして無病生存率に2群間の有意差を認めず。したがって、さい帯血を移植細胞源として用いることは血縁者からの移植と比較して同等に安全で有用である。
コメント:血縁者間にドナ-がいなく、移植を待つ症例にとって、すぐに供給されるさい帯血移植の良好な治療成績は朗報である。
文献:Takahashi S et al. Comparative single-institute analysis of cord blood
transplantation from unrelated donors with bone marrow or peripheral blood
stem-cell transplants from related donors in adult patients with hematologic
malignancies after myeloablative conditioning regimen. Blood. 2007;109:
1322-1330. |