EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
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今月のEBM,ナウ(5) 乳がんへの自家移植-3- (文献1: Eur J Cancer 2005; 41:71-81.) (文献2. N Engl J Med 2000; 342:1069-76.) 乳がんへの自家移植に対して有効性を認めた論文を紹介致します。 {文献1.要約}2005年フランスからの報告。転移性乳がん61症例の検討です。7-8年の観察期間後に検討しています。病気進行までの中央値は標準化学療法が6ヶ月、自家移植群が12ヶ月と有意差(P=0.0056)を認めました。5年での全生存率も同じく13.8%と36.8%(P=0.0294)でした。したがって、化学療法に感受性のある転移性乳がんでは自家移植がその進行を遅らせると結論できます。この研究は5年前の中間解析時にStadmauer(文献2)らに症例登録数が不足しているmisconduct investigationと酷評されています。 結論:化学療法感受性のある再発性乳がんでは自家移植が進行までの期間を延長させる可能性がある。生存率への効果判断にはさらに検討を要する。 表1.患者背景
文献1改変 表2..再発までの期間と生存率
文献1改変 文献1. Lotz J-P et al. High-dose chemotherapy with hematopoietic stem cell transplantation for metastatic breast cancer patients: final results of the French multicentric randomized CMA/PEGASE 04 protocol. Eur J Cancer 2005; 41:71-81. 文献2. Stadmauer EA et al. Conventional-dose chemotherapy compared with high-dose chemotherapy plus autologous hematopoietic stem-cell transplantation for metastatic breast cancer. N Engl J Med 2000; 342:1069-76. |